少年の夢・企業・志 ― 甲南アセット・グループ創業50周年記念
少年の夢・起業・志 もくじ
第1章 「第四創業」としての公益財団法人
第2章 創業 ―― 腹を括って決断
第3章 第一創業で学んだこと
第4章 第二創業での躍進
第5章 ブランドとビジネスモデルの確立(第二創業期)
第6章 M&Aから第三創業へ
第7章 ベンチャーとニュービジネス
第8章 情報産業としての甲南アセット
第9章 横顔としてのエピソード
第10章 「少年の夢」に託して
第11章 果てしない少年の夢と志
―小林 宏至
資料編
はじめに
「起業の鉄則塾(研究会)」が始まったのは平成16(2004)年5月8日である。
第一回のその日から毎月第二週の土曜日に甲南アセットビルの会議室で開くようになり、コロナ禍での中断をはさんで令和6年5月に二〇〇回を数えることとなった。
小林宏至がこの塾を開いた直接のきっかけは、初めての著書『失敗しない 起業の鉄則』(商業界 2000年)を出版したことによる。
著書に書かれている「スクラップ&ビルドの法則18」などをより具体的に講義するというものだった。小林としては十回続けて終わりにするつもりだったのだが、毎回参加する人の中から、今後もぜひ続けてほしいとの声があがった。
そこで小林は、講師を毎回呼んで続けることにした。講師もテーマもその都度変わり、話のあと自由に討議してもらい、その後で小林の塾長講話が数分続き、二次会は居酒屋での交流会となる。講師に謝金はなく、二次会への招待が謝金代わりだが、喜んで講師を引き受けてくれる人が続いた。
小林の人脈のなかから人選されたり他からの紹介があったりして、三〇回を過ぎたころから講師が二人というのが通例となった。
講師の語るテーマはビジネスだけに限らず、健康や生きがい、福祉関連の話、その時代空気を反映した話なども少なくない。
参加者の顔ぶれは常連と新規たちで平均二〇人ほど、三、四〇人で満席になることもある。コロナ禍のときは長い間開くことができず、再開を待ち望む声が多かった。常連の顔ぶれの中には、一回も欠かさず参加する人も少なくない。ビジネス交流会は数多いが、コンスタントに二〇〇回も続けている会はたいへん稀ではないだろうか。
「ビジネスのことはさておいて、この会に来ると元気をもらえるんです」という声もあるように、小林の温厚な人間力・包容力の賜物といってもよいだろう。
平成31(2019)年3月、百五十回(2018年)を記念して、起業の鉄則研究会編として『起業の鉄則塾』(あうん社)を出版した。講師をしてもらった人の何人かに各章を執筆してもらい、小林の塾長講義録を章ごとに入れている。資料編には起業塾163回までの記録表を載せている。
本書の出版記念パーティーも終えて間もなくコロナ禍が起きた。前述したように、それからの中断がなければ2022年春には二〇〇回目を数えていた。しかし誰しもが人類全体への天災が収まるのを待つほかになかった。
この間、小林宏至は「公益財団法人コーナン財団」の認可を得る準備を着々とすすめていた。一般財団法人コーナンはすでに2019年に認可を得ており、翌年からスタートしていた「ビジネスモデルコンテスト」は一般社団法人コーナンの主催でおこなってきた。
同コンテスト3回目(2021年)のときは、開催すること自体が危ぶまれた。結局、応募者の1次審査も2次審査もZoomでの開催の止むなきに至ったものの、小林にはどんな状況でも何とか開催しようとする強い意志があった。
「公益財団法人コーナン財団」が内閣府からの認可を受けたのは2023年3月28日のことである。(中略)
第一回のその日から毎月第二週の土曜日に甲南アセットビルの会議室で開くようになり、コロナ禍での中断をはさんで令和6年5月に二〇〇回を数えることとなった。
小林宏至がこの塾を開いた直接のきっかけは、初めての著書『失敗しない 起業の鉄則』(商業界 2000年)を出版したことによる。
著書に書かれている「スクラップ&ビルドの法則18」などをより具体的に講義するというものだった。小林としては十回続けて終わりにするつもりだったのだが、毎回参加する人の中から、今後もぜひ続けてほしいとの声があがった。
そこで小林は、講師を毎回呼んで続けることにした。講師もテーマもその都度変わり、話のあと自由に討議してもらい、その後で小林の塾長講話が数分続き、二次会は居酒屋での交流会となる。講師に謝金はなく、二次会への招待が謝金代わりだが、喜んで講師を引き受けてくれる人が続いた。
小林の人脈のなかから人選されたり他からの紹介があったりして、三〇回を過ぎたころから講師が二人というのが通例となった。
講師の語るテーマはビジネスだけに限らず、健康や生きがい、福祉関連の話、その時代空気を反映した話なども少なくない。
参加者の顔ぶれは常連と新規たちで平均二〇人ほど、三、四〇人で満席になることもある。コロナ禍のときは長い間開くことができず、再開を待ち望む声が多かった。常連の顔ぶれの中には、一回も欠かさず参加する人も少なくない。ビジネス交流会は数多いが、コンスタントに二〇〇回も続けている会はたいへん稀ではないだろうか。
「ビジネスのことはさておいて、この会に来ると元気をもらえるんです」という声もあるように、小林の温厚な人間力・包容力の賜物といってもよいだろう。
平成31(2019)年3月、百五十回(2018年)を記念して、起業の鉄則研究会編として『起業の鉄則塾』(あうん社)を出版した。講師をしてもらった人の何人かに各章を執筆してもらい、小林の塾長講義録を章ごとに入れている。資料編には起業塾163回までの記録表を載せている。
本書の出版記念パーティーも終えて間もなくコロナ禍が起きた。前述したように、それからの中断がなければ2022年春には二〇〇回目を数えていた。しかし誰しもが人類全体への天災が収まるのを待つほかになかった。
この間、小林宏至は「公益財団法人コーナン財団」の認可を得る準備を着々とすすめていた。一般財団法人コーナンはすでに2019年に認可を得ており、翌年からスタートしていた「ビジネスモデルコンテスト」は一般社団法人コーナンの主催でおこなってきた。
同コンテスト3回目(2021年)のときは、開催すること自体が危ぶまれた。結局、応募者の1次審査も2次審査もZoomでの開催の止むなきに至ったものの、小林にはどんな状況でも何とか開催しようとする強い意志があった。
「公益財団法人コーナン財団」が内閣府からの認可を受けたのは2023年3月28日のことである。(中略)
甲南アセット・グループ五十周年(2024年)
公益財団法人・コーナン財団設立(2023年3月)
甲南アセット設立二十周年(2024年)
起業の鉄則塾二百回(2024年5月)
本書は、この四つのことを記念して発行することとなった。
甲南アセット・グループのビジネスモデルは時代の推移とともに変化してきたが、一貫して変わらなかったものがある。
それは、「少年の夢・起業・志」である。これはまさしく創業者・小林宏至の理念と情熱そのものであった。
本書は一企業の記念誌ではあるけれど、この半世紀を振り返りつつ、読者各位が明日の未来のために参考にしていただけたら幸いである。
記念誌編集員
公益財団法人・コーナン財団設立(2023年3月)
甲南アセット設立二十周年(2024年)
起業の鉄則塾二百回(2024年5月)
本書は、この四つのことを記念して発行することとなった。
甲南アセット・グループのビジネスモデルは時代の推移とともに変化してきたが、一貫して変わらなかったものがある。
それは、「少年の夢・起業・志」である。これはまさしく創業者・小林宏至の理念と情熱そのものであった。
本書は一企業の記念誌ではあるけれど、この半世紀を振り返りつつ、読者各位が明日の未来のために参考にしていただけたら幸いである。
記念誌編集員