リラに降る雨 ―禅から念仏へ

■著者
梶原佑倖
■出版社
■定価
3500円

「人生は苦なり」を身をもって体感され、
そこから目を逸らさず、真摯にいのちと向き合われて、
お念仏のご縁をいただかれたこと、
心に深く刻ませていただきました。  合掌
末本 弘然(正福寺 大阪府池田市)

 目 次
推薦のことば
甘露の雨降るがごとく  貴島 信行
はじめに

歌集Ⅰ つれづれの歌(花・旅・景)
第1章 歌の森・原始林へ(寄稿文ほか)
祝辞『リラに降る雨に寄せて』 大家 勤
第2章 わが恋ひめやも(無常と無情)
家持における無情と無常
沙門夢窓疏石
第3章 恩師・飯田利行先生
飯田先生と良寛さま「み草ふる道」
歌集Ⅱ 宿縁と老いゆく歌(家・孫)
第4章 大愚良寛さんの涙   
良寛詩の旅―花は無心にして
良寛さんの回心
第5章 ひたぶるに雨リラに降る
水の音
禅から念仏へ 
若林秀明師からの手紙 
梶原一法詩 「久遠の光よ」一法堂
歌集Ⅲ 偲ばるる歌(仮)
第6章 われ以外みなほとけなり
厭離穢土欣求浄土(われ以外みなほとけなり)
『滅罪と救済』― 聖道・浄土のかはりめー
仏教讃歌「本願力のめぐみゆえ」に寄せて
第7章 世に棲むご縁  
歌集Ⅳ 世の縁と一期一会(仮)  
《編集後記》 奇縁に導かれて 平野智照
むすびに

 

《編集後記》抜粋
不思議なことに、本書のタイトルについては、編集に着手した時からまったく迷うことがなかった(いつも迷うことが通常)。おそらく、『禅から念仏へ』の中にあった一首が頭から離れなかったからだ。
 ひたぶるに雨リラに降るなり……
 若いころ私は、禅宗・座禅に関心があり、鈴木大拙の『日本的霊性』という本に新鮮な感動を覚えたことがあった。本書の編集を機に岩波の文庫本を読み直してみた。
―― 超個の人(、)は、既に超個であるから個己の世界にはいない。(略)。この超個の人(、)が本当の個己である。『歎異抄』にある「弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとえに親鸞一人がためなりけり」と言う、この親鸞一人(、、、、)である。(86P) 
―― 絶対愛の中に摂取せられるときは、善も悪もそのままにしておくのである。(137p) 中略。

絶対愛と永遠性の念仏が、 一人(、、)(超個)の一心にこめられた一声……。
 それはまさに、「ひたぶるに雨リラに降る」の一首に秘められている、と言えるのではないだろうか。 
 止まない雨はないけれど、妙好人の歌と念仏はこれからも止むことはない。