商人道と起業の鉄則 -小林宏至著作集【総集編】

著 者   小林宏至(株式会社 甲南アセット代表取締役)
企画編集 あうん社
発行人  平野智照
発行所 あうん社
発行日 2020年11月12日
ISBN 978-4-908115-26-4  
定価(1800円+税)

独立起業してから約半世紀、
手がけた10余のビジネスを
ことごとく成功させた秘訣は、
確かなビジネスモデルを導く商人道だった。
“起業と事業成功の鉄則”をあますことなく公開
規模の大小にかかわりなく、経営者必携の「虎の巻」。
              (本書の「帯」より)

 

もくじ

はじめに 
序章 有難いご縁
第1章 少年の夢と志
第2章 商売のイロハも知らなかった創業期の十年
第3章 第二創業までの間に学んだ「鉄則」
第4章 一から学んだ「商人道」
第5章 総合的な創造活動と人間力
第6章 第三創業の「甲南アセット」、そして今
第7章 起業の鉄則研究会「総まとめ編」
■資料編 出版5冊に見る時代変化

あとがき
本書は、この春には出版される予定でした。ところが、新型コロナウイルスの猛威により、ありとあらゆる計画が中止に追い込まれてしまいました。4月にはついに緊急事態宣言が発令され、東京オリンピック・パラリンピックは史上初の中止延期となり、企業の経済活動はもとより社会全般のすべての活動が史上初といってよい甚大な被害をこうむり、いまなおそれが続いています。3月6日開催予定だったコーナン財団の「ビジネスモデル・コンテスト」の審査も、7月に延期となりZOOMでの開催となりました。
こうした深刻な状況の中でも人は日々働き、社会経済を動かしていかなくてはなりません。経済活動というものは、まさに生命の血液循環と同じだからです。ソーシャルディスタンスや3密(密閉、密集、密接)といった自己規制の継続は、今後もやむを得ないことでしょうが、とにかく血液循環(経済活動)をさせないことには、コロナ禍以上に悲惨な状況に陥ることになるでしょう。
言うまでもなく、これまでも人類はさまざまな困難を克服してきたからこそ、今日があります。こういう困難な時こそ、飛躍と進歩のためと前向きに捉えていく必要があると思います。実際のところ今、アフターコロナ、ウィズコロナといった言葉をキーワードにした新たな取り組みが、企業や団体、一般の人々の間でも次々と生まれてきています。おそらく数年後には、そうした取り組みの中から、社会のニーズにマッチしたこれまで想像もできなかった新規のビジネスモデルも誕生し、成長していくことでしょう。
ところで本書のタイトルは、あうん社の平野氏が名付けたものですが、「起業の鉄則(ビジネスモデル)より商人道をタイトルの先にした理由を、こう語っていました。
「たとえ確かなビジネスモデルがあっても、虎の巻があっても、経営者の哲学や理念、つまり商人道がなければ、そのビジネスは成功しないでしょう」と。まったくそのとおりです。
私は、「起業の鉄則塾」や講演などでビジネスモデルの重要性を言い続けてきましたが、車の両輪ともいえる商人道がなければ進むべき道を誤ります。経営者の理念や哲学ともいうべき商人道がぐらついていては、成功はおぼつかないのです。ビジネスモデルは社会のニーズによって変わるものですが、商人道は普遍的なものだからです。その意味において本書のタイトルどおり、商人道があっての起業の鉄則(ビジネスモデル)です。
2004年の5月に始まった「起業の鉄則研究会」は、本年2月に第172回を開催して以来休止されたままですが、いつ再開するのかという声が多く寄せられています。私としても近い将来再開できることを願っています。そして、私の健康の許す限り会を積み重ねることで、一人でも多くの起業家たちが集い、互いに研鑽しあい、関西はもとより全国、あるいは世界にも羽ばたくようなロマンのある事業家が出てくることを、心の底から念じています。
最後になりましたが、処女出版(『失敗しない起業の鉄則』)のときからずっと私の著書の企画編集に協力していただいたあうん社の平野智照氏には改めてお礼申し上げます。
また、これまで私と支えてくれた家族をはじめ、諸先輩方や友人知人、そして社員一同にも心から感謝申しあげます。
令和2年初秋
小林 宏至